車椅子の完成

 2020年9月、長男の新しい車椅子が完成しました。最後に作ったのが、高校3年の時で、完成は9月でしたから、丸12年ぶりの新車です。今回は前の年の夏前に最初の打合せをして1年以上がかかりました。それだけ時間がかかってしまうのは、一台一台がそれぞれの身体に合わせた特注品で、製作の途中で何度も仮合わせをして、そのたびに子どもを実際に載せてPTの先生や業者の担当者と相談しながら微調整してゆく必要があるからです。時間はかかりましたが、とても良い車椅子が完成して、子どもも楽な感じに乗っているので、満足しました。

 高校3年生の時は、秋の修学旅行に間に合わせたいという思いがあって、業者さんにも随分無理をさせてしまったように思います。また成長期の子どもであれば、作っているうちに体が成長し合わなくなることもあるし、学校行事などの関係でどうしても急ぐことが多くなると思います。今回、長男はだいぶ前に卒業して学校行事もなくなりましたし、成長期も終わっているので、まだかなあ、と思いつつも待ちました。

 今回の車椅子の作成で、第一に希望したのは、車に乗るときに車椅子のまま乗車できるようにしたい、ということです。これまでは、車椅子で乗るより、車の座席の方が楽に乗れるだろうという思いから、子どもは助手席に乗せ、車椅子は後ろに積む形でした。ここ数年、乗降のため抱えるのが自分の体力的にきつくなってきて、車椅子に座ったままの乗車に変えようと思うようになりました。前回車椅子を作った高3の時、車を福祉車両に買い替え、スロープで車椅子を載せられるようになりましたが、車椅子の奥行がギリギリであったため、積み込むときはリクライニングを最大に起こすようにしなくてはなりませんでした。子どもの場合は自分で体幹を支えることができないので、車の揺れやブレーキをかけたときなど、ある程度リクライニングさせた状態で乗せないと、姿勢が崩れてしまうことがあります。

 リクライニングを可能にするため、フットレストを短く調整したり、後ろの持ち手(車椅子を押す時のハンドル)を降りたたみできる形にしたり、ヘッドレストを前後に動かせるための部分をできる範囲で短くしたりして全体の奥行の長さを短くできたので、これまでよりは少しゆとりをもって乗車することが可能となりました。 仮合わせのときに、何度も実際に車に積んでみて、製作を進めてもらうことができました。完成した車椅子で、自宅に帰る日が楽しみです。コロナの状況が落ち着き、外出可能になる日が待ち遠しいです。   

  

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