障がいや病気を持つ子どものお母さんを応援するサイト

ー社会とのつながりを!ー

このサイトについて

障がいを持つ子どもや病気をかかえる子どものお母さんの現況はとても厳しいものです。自分に使える時間がほとんどなく、子どもの世話に追われる日々を送っています。子どもとの関わりだけで、ほぼ1日が終わるという毎日が何ヵ月、何年と積み重なると、その状況から抜け出すことを考えることもできなくなってしまいます。夜中に痰の吸引が必要だったり、寝返りをさせなくてはいけなかったりすると、親は十分に睡眠をとることができないので、疲労が積み重なってしまいます。

このように自分の周りの小さな世界だけで生きていると、広く世の中を見渡すことが難しくなってしまうでしょう。きっともっと広い世界を知りたい、体験したいと思っているはずです。そして、当然ながら仕事をしたい、社会の役に立ちたいと考えていると思います。

このサイトは、そのような厳しい状況の中にいるお母さんたちへ、何かほっとする情報、社会とのつながりのヒントとなる情報を提供したいと思い立ち上げました。また、障がいや病気を持つ子どもたちについて、多くの人に知ってもらいたいと思っています。

サイトの運営者について

田中もえぎ

首都圏に住むライター。大学卒業後、(株)リクルートに入社し、約4年勤務、その後フリーのライターとして仕事をする。結婚後長男が生まれ、仕事を中断していたが、子どもが2歳になる頃から保育園に預け、仕事を再開。その後、長女が生まれて間もない頃、長男はインフルエンザの重症化により、命はとりとめたものの心身に重い障がいが残る。半年にわたる長男の入院を経て、退院後は機能回復のため家でリハビリ訓練に励みながら、理学療法、作業療法なども続ける。次男誕生を経て、長男の養護学校入学の頃に中断していた仕事を再開。フル稼働とは程遠い状態ながら、家で資料から書く仕事を中心に、依頼された時にだけ細々と仕事を続け、かろうじて社会とのつながりを保つ。

2000年から絵本の読み聞かせ等ボランティア活動、2015年から翻訳ボランティア活動

サイトの協力者:田中たかあき

1990年生まれ。2歳8か月のとき、インフルエンザ脳炎により身体に障がいを持つ。養護学校(現在の特別支援学校)小学部から高等部まで12年間通う。卒業後、障がい者地域デイケア施設に通っていたが、1年ほど後に体調を崩し入院。常時医療的ケアが必要となり、その後地域の医療施設で生活。腎臓の病気により、2022年1月、多くの思い出を残して旅立つ。

長男の小さい時の大病後数年たって書いた詩です。このサイトのタイトルはここからとりました。

  

 15センチの白いくつ   
  
  
 僕は
 15センチの白いくつ
  
 お店で 箱に入っていた僕を
 ター君が
 パパとママといっしょに来て
 買ってくれたんだ
  
 最初は
 ター君にちょっと大きかった僕
 でも
 すぐにぴったりになったよ
  
 ター君がお外に行くとき
 いつも僕といっしょ
  
 道路のそばで
 通っていく車を見るのが
 大好きだったター君
 何台も何台もいっしょにながめたよ
  
 いつもどろんこで
 白くなかった僕
  
 でも
 ある冬の日
 ター君は僕をはかずに
 どこかにいっちゃった
 病院にいたんだって
 ずっとずっと
 長いこと
  
 家に帰ってきてくれたとき
 僕はとても嬉しかった
 でも
 ター君は
 僕をはいてはくれなかったよ
  
 そのまま
 お玄関に
 長いこと置かれたままの僕
 ター君のママは
 僕のこととても大切なくつだって言ってたよ
 ター君がどろんこにしたくつだから
  
 何ヵ月か
 何年か過ぎ
 靴箱のすみにそのままあった僕を
 ある晴れた日
 ママがやっと洗ってくれた
 お日さまに干されて
 僕はまた白くなったよ
  
 今 ター君の妹が僕をはいている
 僕はまたどろんこになっちゃった